すなわち君の受験勉強法は端的に間違っている

才能でも根性でも運でもなく、「考え方」と「適量の努力」で受験に合格するための戦略的思考法

勉強の精度を向上させるには「自分の中の先生」を育てよう

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受験勉強においては「自分」に教える先生もまた「自分自身」

問題集や参考書を使ってやる受験勉強が学校で行われる授業と大きく異なる点は、基本的に「答えあわせを自分でやらなくてはならない」ということです。これは案外盲点になっていると思いますが、普通採点や評価というものは、その問題を十分に理解している人(たとえば「先生」)がやるものです。

しかし自学自習が多くの割合を占める受験勉強においては、自分が間違えた問題、わからなかった問題の採点をも、未熟な自分自身でやらなければなりません。皆さんこれを当たり前のようにやっていると思いますが、これ、実はけっこう大変なことなんです。つまりは「自分が自分の先生になって自分に教えてあげなければならない」ということですから。

「模範解答」という落とし穴

「そんなの、模範解答があるから簡単じゃないか」と思う人もいるでしょう。しかし模範解答さえ持っていれば、誰でも教師になれるわけではないのは皆さんおわかりだと思います。模範解答を持っていることと、それを理解してその意味を人に伝えることができるということは、意味もレベルもまったく異なるからです。

ここでは「模範解答を持っている」という事実から得られる万能感こそが、ある種の「落とし穴」になります。ひとりで勉強していると、「模範解答を読んでわかった気になったけど、実は全然わかっていない」という事態が頻発するのです。

「わかっていない自分」が、「わかっていない自分」に教えるという困難

なぜそんなことになってしまうのか? それは、「わかっていない先生(=自分)」が「わかっていない生徒(=自分)」に解答の解説をしている形になってしまうからです。

ならば家庭教師をつければいい、あるいは先生に質問に行けばいい、というのはもちろんそうなので、利用できる人は最大限利用したほうが良いとは思います。かといってすべての問題に関して他人に解説を求めることは困難であると同時に、もしできたとしてもおそろしく効率の悪い勉強になってしまうため、すべてを外部に委ねることは現実的ではありません。

必要なのは「先生」としての能力ではなくスタンス

やはり自分にとってメインの「先生」は、基本的に自分自身しかいないわけです。だとするならば、自分自身を優秀な生徒に育てるためには、まず自分の中に優秀な「先生」を育てる必要があるというのがものの道理です。つまりは自分自身を、いい「先生」に育てあげなければならない。

と、こんなことを言うとさも難しいことのように思ってしまうかもしれませんが、それはそんなに難しいことではありません。これは別に「先生としての能力を身につけろ」と言っているわけではありません。必要なのは能力よりもはるか手前にある「先生としてのスタンス」ただそれだけです。

つまり自分の中に、「生徒」と「先生」、その二つのスタンスを両方持っておくということです。問題を解くときには「生徒」になり、答えあわせをするときには「先生」になる。言葉にすればただそれだけの、心構えの違いというだけなのですが、実際にこの二つのスタンスの切り替えがしっかりできている受験生は、結構少ないのです。

「自分自身」を「自分にとっての優秀な先生」に育てあげる方法

もう少し具体的に説明しましょう。「先生」になるということは、まず第一に生徒である「自分」ではなく「他人」になるということです。自分の導き出した解答を、他人の解答として、客観的かつ厳密に採点する。人間誰しも自分に対しては甘くなりがちなものですが、ならば他人になってしまえばいいのです。甘えを許さぬ他者の視点を獲得することによって、明確に問題点を炙りだすことが可能になります

そして第二に、自分自身というこの生徒が、「なぜこの問題を解けなかったのか?」「どこがわからなくて、どこでつまづいてしまったのか?」を先生の立場からしっかりと考え、分析し、対応策を提案してあげることです。ここですぐに「こいつは出来が悪いから」と突き放してしまうようでは、良い先生とは言えないでしょう。

先生としての重要な要素は、博識であることでも饒舌であることでもなく、まず何よりも「生徒ひとりひとりの抱えている問題点を見抜く能力」を備えていることです。そして幸いにも、この場合における「生徒」とは自分自身ですから、その気持ちや悩みを理解するのは、少なくとも他人を相手にするよりは容易であるはずです。

そういう意味では、自分という「生徒」にとってベストな「先生」とは、本来自分自身であるのかもしれません。模範解答を読んでもいまいちわからないときには、自分の中にある「先生」から「生徒」に向けて、「ならばこの参考書のここを再確認したほうがいい」「構文が取れてないようだから、単語を憶えるより文法をやり直しなさい」などと、上手く助け船を出してあげましょう。

「先生」を自分の中に持つことで、全体の成績が安定する

自分にとって理想的な先生に巡りあう可能性は、誰にでも平等に開かれているわけではありません。正直そこには、運というものが少なからず関わってきます。しかも全教科で理想的な先生を確保するとなると、その可能性は残念ながら非常に低いと言わざるを得ない。

これはけっして一般に先生の質が低いといっているのではなく、人と人との関係である以上、そこには相性というものが大きく関わってくるためです。しかし相性のいい先生に習ったところだけ点数が取れても、基本的に全科目の総合点での勝負となる受験というシステムでは勝つことができません。

つまり全体の成績を安定させるためには、学習指導の軸を「他人」という「外側」ではなく、「自分」という「内側」に持つ必要があるということです。

自分と的確な距離を取り、自身を客観的に把握する

しかしそれはけっして大それたことではありません。これまで書いてきたように、自分の中で二つの立場を使い分けることによって理想的な「先生」と「生徒」の関係を自分の中に作りあげることができれば、わからない状況に陥っても簡単に投げ出すことなく、自力でしっかりと問題点を探りだして改善していくことができるようになります

要は「自分自身と距離を取る方法を身につける」ということであり、そのスタンスが「自分自身を客観的に把握する」のを可能にしてくれるということです。「常に逆サイドの視点を自分の中に持つ」というのは、勉強に限らず仕事においても非常に有効なスタンスなので、受験勉強を通じてぜひ身につけておくことをおすすめします。


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