すなわち君の受験勉強法は端的に間違っている

才能でも根性でも運でもなく、「考え方」と「適量の努力」で受験に合格するための戦略的思考法

最高の記憶術は、自分の「記憶力のなさ」を認めること

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それは「記憶力がない」のではなく、「自分の記憶力をわかっていない」だけ

よく「自分はどうせ記憶力がないから」という人がいます。私はそういう人に会うと、「ではどのくらい記憶力がないのか?」とあえて尋ねることにしています。するとだいたい「とにかく憶えられない」などと、特に根拠のない曖昧な答えが返ってくるのです。

これは実のところ、「記憶力がない」のではなく、「自分の記憶力をわかっていない」だけです。あるいは、一般に言うところの「記憶力」というものを、だいぶ高く見積もりすぎている。頭の良い人はなんでもかんでも、努力も工夫もなしに簡単に憶えられるものだと、勝手に決めつけているに過ぎません。

難関大出身者にも、記憶力に自信のない人は多い

しかしそれはいくらなんでも、人間の持っている能力というものに期待をしすぎています。むろん中には、「一度見たものは、脳内に写真のように焼きついている」というような特殊能力の持ち主もいると聞きますが、そんな人は滅多にいるものではないので、参考にする必要はありません。

実際のところ、難関大学の出身者に記憶力の話を振ってみると、「あんまり記憶力には自信がない」という人が結構多いのです。「仕事で会った人の名前も顔も、なかなか覚えられなくて…」という一種の「忘却自慢」は、むしろエリートサラリーマンの常套句と言ってもいいくらいです。

「憶えられる人」=「記憶力というものの頼りなさを自覚している人」

だとすると、「憶えられる人」と「憶えられない人」は何が違うのでしょうか? 改めてそう考えてみると、両者の決定的な違いとは、「憶えられる人は、自分の記憶力の限界を知っている」ということだと思います。正直なところ、前者と後者の違いは、おそらくその程度のものでしかありません。

それは逆に言えば、「記憶力というものの頼りなさを自覚している」ということです。大事なのは憶えること以前に、「忘れそうなことに気づくこと」です。

「俺のことだから、これはたぶん明日には忘れてるだろうな」と思っていれば、翌日にそこをもう一度確認するはずです。ところが自分の「記憶力のなさ」を甘く見ている人は、「自分がそれを忘れそうであること」に気づかない。あるいは、気づいても気づかないふりをしてやりすごしてしまいます。

自分自身の能力を知ることを怖がってはならない

これはつまり、自身の能力をまったく知らないか、もしくは「知ることによってがっかりすることを怖がっている」ということです。特に成功体験に乏しく、現時点における成績が芳しくない学生の場合、「自分の実力のほどを知る」ということを、異様に怖がってしまっているケースが少なくありません。

もしも受験生本人が自分の成績表をなかなか見たがらない、模試の結果を知りたがらないタイプであったらなら、「自分自身と向きあうことを怖れている状態にある」と考えた方が良いでしょう。

「自分に何ができないのか」を知らない限り、「自分に何ができるのか」を知ることはできない

そもそも「自分に何ができないのか」を知らない限り、「自分に何ができるのか」を正確に把握することは不可能です。ある程度「記憶力が悪い」のは、人間である以上は当たり前のことです。それでも人は普段話す日本語を丸ごと忘れたりはしないし、九九だって憶えている。

なので「記憶」に関してまず第一に必要なのは、自分の記憶力がどの程度のものなのか、しっかりと確認してみることです。とはいっても、「忘却曲線」がどうとか、そこまで科学的にきっちりやる必要はありません。

それが苦にならないのならば良いですが、「一度問題を解いたら、ジャスト何時間後に必ず見直して、何日後の何時にまた見直して、さらにはまた何ヶ月と何日後に…」というレベルまでキッチリ法則化してしまうと、いつの間にかそれ自体が目的化してしまう危険性があります。

実現可能な勉強計画を立てるにはまず、記憶と忘却のプロセスを掴むこと

大事なのは儀式のようにペースを守ることではなく、自分自身の記憶と忘却のプロセスを把握することです。

たとえば、英単語帳一ページ分の内容を、自分は何度読めばいったん憶えられるのか。それにはどれくらいの時間がかかるのか。そしてそうやっていったんは頭に叩き込んだものが、翌日になったら何割方記憶に残っているのか。さらには、二周目に再度そのページと向きあったときの達成度はどうか――等々。

それらをざっと把握するだけでも、「どれだけの量の勉強に、どのくらいの時間が必要であるか」が割り出せるようになります。そしてそこから逆算していけば自動的に、机上の空論ではない、間違いなく実現可能な受験計画を立てることができるようになります。

ただ「発想の転換」をするだけで、「記憶効率」は飛躍的に向上する

問題の主眼はあくまでも、「憶えられるか憶えられないか」ではなく「憶えられないものをどうすれば憶えられるか」にあるので、なかなか憶えられなかったり、大半を忘れてしまっていたりしても、いちいち落ち込む必要はありません。加えて、知識というものは骨組みさえしっかりしてくれば、そこへの肉付けはある程度楽になるものですから、最初がもっとも厳しいのは当然のことです。

肝心なのはまず、「なかなか憶えられない」のが誰にとっても当たり前の状況なのだと知ること。そして「記憶」のプロセスとは、その大半が「忘れた箇所を修復していく作業」なのだということを理解し、実践していくことです。

「記憶力」に差が出るとしたら、それはいま言ったような「チェックと反復のプロセス」を「やっているかやっていないか」の差だけですから、能力差などまったく関係ありません。自らの「記憶力のなさ」を嘆くのではなく、「人間は忘れるのが当たり前で、忘れたら覚え直すチャンス」と発想を転換するだけのこと(そしてそれは紛れもない「事実」)です。

これは「努力」などというものですらなく、単に何かを覚える際の「心がけ」や「習慣」を変えるだけですから、誰でも今すぐに記憶効率を向上させることができます。

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